〇
欠席委員[0人]
〇その他の出席者[0人]
〇
出席理事者[20人]
農林水産部長 田所 竜二
営業本部長 八十島 一幸
農政企画局長 大北 秀
農業振興局長 道菅 稔
農業振興局技術監 菊池 洋之
森林局長 小池 賢治
水産局長 佐伯 裕
農政課長 矢野 等
営業本部マネージャー 矢野 悌二
農地・
担い手対策室長 久保田 誠
農業経済課長 佐伯 隆
ブランド戦略課長 鶴村 幸弘
農地整備課長 久枝 司
農産園芸課長 中田 治人
畜産課長 佐伯 拡三
林業政策課長 佐々木 秀和
森林整備課長 青野 正義
漁政課長 馬越 史朗
水産課長 前原 務
漁港課長 中川 新六
午前9時57分 開会
○(
石川稔委員長) ただいまから、
農林水産委員会を開会いたします。
これより議事に入ります。
本日の
会議録署名者に
寺井修委員、
大西渡委員を指名いたします。
それでは、定第91号議案及び定第101号議案を一括議題として審査を行います。
理事者の説明を求めますが、報告第17号についてもあわせて報告願います。
○(
農地整備課長) それでは、
農地整備課分について御説明いたします。
資料3をお願いいたします。
補正予算案説明書の28ページをお開き願います。
定第91
号議案平成29年度
補正予算案について御説明いたします。
耕地災害復旧費5億7,542万5,000円は、台風18号及び21号により被害を受けた農地、
農業用施設を速やかに復旧し、農業の維持を図り、あわせて農業経営の安定に寄与するための経費を追加するものでございます。
続きまして、資料1の9ページをお開き願います。
繰越明許費補正について御説明いたします。
第11
款災害復旧費、第1項
農林水産施設災害復旧費につきましては、先ほど説明いたしました
補正予算、
耕地災害復旧費5億7,542万5,000円の繰越明許をお願いするもので、補正後の額は13億9,969万6,000円となります。
続きまして、資料2の101ページをお開き願います。
定第101
号議案県営土地改良事業分担金徴収条例等の一部を改正する条例について御説明いたします。
土地改良法等の一部を改正する法律が平成29年5月26日に公布、同年9月25日に施行されたことを受けて、
県営土地改良事業の施行地域内の農用地について、
目的外用途への転用や
農地中間管理権を解除した場合に徴収する
特別徴収金に関し必要な事項を定める等のため、条例の一部を改正するものでございます。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○(
農産園芸課長)
農産園芸課分について御説明いたします。
資料3の31ページをお開き願います。
定第91
号議案平成29年度
補正予算案について御説明いたします。
県有施設災害復旧費1,500万円は、台風18号により
農林水産研究所内の
試験圃場等に被害があったことから、
復旧工事を実施するための経費でございます。
以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○(
畜産課長) 畜産課分について御説明いたします。
資料3の35ページをお開き願います。
定第91
号議案平成29年度
補正予算案について御説明いたします。
家畜保健衛生費4,308万5,000円は、中
予家畜保健衛生所及び
家畜病性鑑定所の移転に伴い、本年度当初予算において、松前町にある旧庁舎の解体工事を予定しておりましたが、解体工事に係る事前調査において、一部の施設の外壁吹きつけ材に
アスベストが含まれていたほか、くいなどの
地中埋設物の存在が判明したことから、解体時の
アスベスト飛散防止対策など、工事の経費を追加するものでございます。
続きまして、資料2の169ページをお開き願います。
損害賠償の額を定めることについて、
地方自治法第180条第1項の規定に基づき専決処分を行いましたので御報告いたします。
内容につきましては、次の171ページをお開きください。
損害賠償の額17万8,200円は、
畜産研究センターの牛が放牧地の柵から抜け出し、墓石等を損壊し生じたものでございます。
これを受けまして、柵の定期点検の頻度をふやすなど、再発防止に努めるよう指示したところであります。
以上、御審議のほどお願いいたします。
○(
石川稔委員長) 以上で理事者の説明が終わりました。
委員の皆さん、議案に関する質疑はありませんか。
○(
帽子大輔委員) 先ほど御説明された資料3の31ページ、
農林水産研究所の
災害復旧ということなんですけれども、具体的にどのような被害があったのかということと、それらはもともと老朽化していて、さらに台風の被害によって起こったものなのか、それとも突発的に起こったものなのか、具体的な状況をお聞かせいただけたらと思います。
○(
農産園芸課長) まず、災害の具体的な内容でございますけれども、台風18号によりまして、
農林水産研究所内の3カ所で水田擁壁の崩壊等の被害が発生いたしました。具体的には、水田圃場の擁壁が、高さ2.6mから4.6m、長さ約20mにわたって崩壊いたしました。作業用の通路等に土砂が流出しまして、ため池、水路、管渠等によって、一部、近くの住民が使っている道路ではあるんですけれども、そこが通行できなくなっているというふうな状態です。
それと、もう1カ所、水田の圃場につきましては、高さ4.9m、長さ約9mの範囲で、ここはまだ崩壊には至っていないんですけれども、ずれとかひび割れとか、そういったものが発生しまして、崩壊のおそれがあると。
さらに、本館南側ののり面におきましても、高さ約9m、長さ約10mの範囲でひび割れ、陥没等が発生して、崩壊のおそれがあるというふうなものでございます。
今回の被害は、
農林水産研究所の観測で24時間雨量が200ミリを超え、1時間雨量でも55ミリというような集中豪雨によってもたらされたものでありますけれども、建設から長年たっておりますので、その辺の原因ははっきりつかめておりませんけれども、そういった状況でございます。
○(
帽子大輔委員) ありがとうございました。改めて、先般の台風18号の影響が大きかったんだなというふうに認識をいたしました。早急な復旧をよろしくお願いいたします。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
○(
岡田志朗委員) 同じく
農地整備課の方で御説明された5億6,900万円、これについてもうちょっと詳しい状況等を教えていただきたいと思います。
○(
農地整備課長)
岡田委員から御質問の
農地整備課案の予算、
農地農業用施設災害復旧事業費でございますけれども、
農地農業用施設災害につきましては、本年度、四つの台風により、県内15市町におきまして986件、被害額としましては21億3,200万円の被害が発生しておりまして、近年10年間で最も甚大な被害となっております。
このうち9月16日、17日の台風18号におきましては950件、19億5,500万円、10月21日、22日の台風21号では13件、1億2,200万円の被害がありまして、合わせて963件、20億7,700万円に上っております。市町別に見ますと、被害が最も大きいのは今治市で、6億1,200万円、そのほか、西条市、東温市、伊予市、
内子町が被害額2億円以上となっております。
災害復旧補助事業による
復旧工事につきましては、国による
災害査定を年内に終えるよう、県下10班体制で実施しているところであり、今後とも、市町と連携しまして早期復旧に努めてまいりたいと考えております。
○(
岡田志朗委員) この金額については、
農地整備費、予算といいますか、今後、災害については国に対して言っていくことになるんですが、これについてはどの部分を使うということになるんでしょうか。
○(
農地整備課長) これは被害額でございますので、これから、市町の方から、被害を受けたことによって、それに対しての
査定設計書というもの、申請額が上がってまいります。申請額を国が
災害査定におきまして現地で査定を行いまして、それによって事業費が決定する段取りになっております。
その中で、平成29年度当初予算にも、ことし予想される
災害復旧費用としては計上しておったんですけれども、それを上回るような被害を受けておりますので、そういったことで今回追加計上させていただくものでございます。
○(
岡田志朗委員) 最初に計上しておかれた部分が足りないということなんですが、その最初に計上した費用というのは
農業農村整備費ということでよろしいですか。
○(
農地整備課長)
農地農業用施設災害復旧費として平成29年度当初予算で計上しております。それについて、今回、台風18号等々の被害が大きかったものですから、それについて追加で費用を計上させていただいています。
○(
岡田志朗委員) といいますのは、もともと
土地改良予算というのが5,772億円という規模だったものが、
民主党政権によってどんどん落ちた。それがまた最近になって徐々に復活する中で、当初と補正とで大体もとに戻ったのではないかなというような状況と言われております。
その中で、当初に関してはそういう予算が組まれた中だったのではないかと思うんですが、今のもともとの
土地改良の予算の動向といいますか、国の動向、そして愛媛県の動向というのを教えていただきたい。
○(
農地整備課長)
農業農村整備事業の国の予算でございますが、先ほど委員おっしゃいましたように、国の方では平成28年度の大型の
補正予算と平成29年度の当初予算を合わせまして平成21年度の予算額5,772億円にまで回復しております。現在、国は、平成30年度概算要求においても予算を120%程度と最大限の要求をしておりまして、財務省との間の折衝中と聞いており、年内には概算決定があるのではなかろうかと聞いております。
県の予算につきましては、今回の
災害予算につきましては、計上するときに、過去10年間の被害等々を勘案しまして、過去10年間での被害に十分対応できるといったようなことで、当初予算の
災害復旧費を計上させていただいておりました。ですが、先ほど申しましたように、今回の災害は過去10年間の被害額を大幅に上回ることになりましたので、追加で
補正予算として計上させていただいているところでございます。
○(
岡田志朗委員) 今回の災害については、そういうことで補正でということはわかるんですが、大きな流れとして、国の流れと大体同じかもしれませんけれども、愛媛県における
農業農村整備の費用はどういう状況かということです。
○(
農地整備課長) 県におきましても、
農業農村整備事業は愛媛農業を下支えする大事な事業と認識しております。そういったことで、毎年度、必要予算を計上しておりますが、何分、国の当初予算での復活がなかなかないものですから、県の予算の中での充足率が7割弱といったようなところにきております。そういったことで、県としては、
農業農村整備事業は重要であるということで、十分予算を計上させていただいております。
これからも国予算につきましては、予算の総額の確保と愛媛県への重点配分について、関係者等々と国に対し今後も要望していきたいと考えております。
○(
岡田志朗委員) わかりました。ぜひそれも大事なことですし、よろしくお願いします。
関連して、資料2の
県営土地改良事業分担金徴収条例等の一部改正について、これは
中間管理機構絡みが大きいということではありますが、これをやることによってどういう影響があるのかも含めて、詳しく説明をいただきたい。
○(
農地整備課長) 今回の条例改正につきましては、国の農用地の利用集積や農業政策の
基盤整備を促進するため、先ほど委員おっしゃったように、
農地中間管理機構が賃借権等を取得した農用地を対象として、申請によらない
土地改良事業等を創設するため、
土地改良法の一部を改正する法律が本年5月26日に公布、9月25日から施行されたところでありまして、
県営土地改良事業に係る
特別徴収金を規定しております現在の
県営土地改良事業分担金徴収条例の一部を改正することとしました。それで、今回、
機構関連事業というのが
土地改良事業の中に盛り込まれましたので、それについて条例を改正するといったようなことでございます。
今回の
土地改良法の改正によりまして、
機構関連事業というのができました。それにつきましては、
土地改良法手続上の同意は不要となり、その中で農業者の同意とか負担を求めない新たな制度ということでございまして、それによりまして負担もないということで、これから整備とか、県として進むのではないか。そういったことで、県では
えひめ農林漁業振興機構が
中間管理機構になっておりますけれども、そこと、営農部局や市町と一層連携を図りまして、この事業を積極的に進めてまいりたいと考えております。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
○(
岡田志朗委員) あわせて、山地も相当災害が多かったと思うんですが、そちらの方の説明をいただいたらと思います。
○(
森林整備課長) 今年度の台風による
山地災害の状況につきましては、37カ所、11億円余りというふうになっておりまして、被害額が最も多いのは西条市の3億9,000万円、次いで今治市の2億7,000万円、そのほか東温市と西予市が1億円を超える被害となっております。
山地の被害箇所の復旧につきましては、
保全対象等を勘案しながら、
公共治山事業の採択基準に合致するものについては、次年度以降の
治山事業で復旧を行うこととしております。
これらのうち、台風のときのみではなくて、次の大雨等で荒廃の拡大などにより被害のおそれがあると認められる8カ所につきましては、国の審査を受け、
災害関連緊急治山事業により早急に
復旧工事に着手する予定としております。
今後とも防災・減災対策の取組みを強化して、県民が安全で安心できる暮らしの実現に努めてまいりたいと思っております。
○(
岡田志朗委員) ありがとうございます。農地にしても山林にしても、これは、今までのやり方が悪かったとかどうのこうのではなくて、現実に雨の降り方が違う。今までになかったような雨が、これからは毎年降る可能性があるというようなことだろうと思うんですが、そういう意味で、今回についてはあったものに対しての
災害復旧という形でされますけれども、今後、この状況を鑑みて、農地、山地の造成の仕方といいますか、管理の仕方というもので、こういうことに気をつけようとか、徐々にこれから変えていこうと思っているというようなことがもしあったとしたら、まだ決定には至ってはいないと思いますけれども、あり得るという意味で対応は必要ではないかなと思うんですが、何かありましたらお答えをいただきたい。
○(
石川稔委員長)
農地整備課でも
森林整備課でも。
○(
農地整備課長)
委員お話のとおり、最近、
ゲリラ豪雨や、近い将来危惧されております
南海トラフ地震等がございまして、なかなか災害に対して予想して取り組むことは非常に難しいところなんですけれども、やはりそれに対する予防ということで対応する必要があると考えております。
ため池等につきましては、老朽化をしており、大規模なため池もありますので、地震に対する対策みたいなことで、老朽化・耐震対策を一体的に、計画的に進めていくこととしております。
また、あわせて、
ハード整備だけではなかなか多額の費用もかかり、また、時間もかかりますので、避難対策といたしまして、ため池等におきましては
ハザードマップの整備もあわせて、全てソフト、ハードの両面から
防災減災対策を進めていきたいと考えております。
○(
森林整備課長) 森林における
山地災害の今後ということでございますが、現在、県では、民間で組織されました愛媛県
山地防災ヘルパー協会というものがございまして、そちらの方と協働しながら災害の兆候を把握するための点検・パトロールを実施しているほか、
山地災害関係情報等の提供につきまして、
日本郵便株式会社四国支社に対して協力要請を行っているところでございます。
また、こういった兆候等を把握するとともに、やはり相当な豪雨には、耐え切れないかもわかりませんけれども、今までと同様に
森林整備を進めながら、下層植生が豊かな健全な森林を造成するとともに、
治山ダム等の
ハード事業により災害等の発生を少なくしてまいりたいと思っておりますし、九州等であったような流木等も考えられることから、流木を捕捉するような治山ダムの設置も今後検討してまいりたいと思っております。
○(
岡田志朗委員) ありがとうございます。万が一のときにまず人的な被害をないようにするという基本的な考え方で今されているということ、本当にありがたく思います。
また、今、山地の方で言われましたようなことでも、今までやっていたことをきっちりと進めるということが一番大事だと思いますので、今回の災害が今までの計画を進めるためのインセンティブになるような意味、それともう一つ、今まで以上に災害が起こりやすいんだという構えをぜひとっていただいたらなと思います。よろしくお願いします。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
石川稔委員長) 議案に関する質問はないようですので、それでは、せっかくの機会ですので、所管事項も含めて質問はございませんか。
○(
兵頭竜委員) 済みません。先般、西条市で
鳥インフルエンザが見つかりましたが、その辺、ちょっと詳細とか状況とかを教えてもらえますか。
○(
畜産課長) 先日、県内で
鳥インフルエンザが見つかりました。西条市の
加茂川河口におきまして、野鳥のふん便から低
病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたということでございます。これは、環境省が2月、4月、10月、12月の年4回にわたりまして野鳥ふんの検査をしております。その際、10月に採取されましたふん便から、県内で初めてではございますが、低病原性の
鳥インフルエンザウイルスが分離されたということでございます。
○(
兵頭竜委員) その部分は、影響とかをあわせて今までなかったんだろうと思うんですけれども、終結というか、その影響はないから別に考えなくてもいいのか、また、そういったものの追跡とか、全体的なところはどのように把握されて、どう対応されているのか。
○(
畜産課長) 今回分離されました低
病原性鳥インフルエンザは、鳥に対する害というのは低いわけなんですが、畜産におきましては、仮に鶏舎におきましてこの低
病原性鳥インフルエンザウイルスを分離された場合でも、高病原性と同様に全部殺処分を決するということになっております。
このため、養鶏農家におきまして、低病原性であっても、愛媛県内で初めて分離されたということを畜産県としては重く受けとめまして、
緊急防疫会議を開催しまして、各担当におきましては、100羽以上の養鶏農家については、消毒の徹底でありますとか、車両進入のときの消毒、野鳥や野生動物の鶏舎への侵入防止の徹底を再度図るようにというふうな指示をいたしまして、
インフルエンザの侵入防止に、より努めているところでございます。
○(
兵頭竜委員) 非常に心配されるところであるし、やはりいろいろなところでそういう徹底も、また警戒も強めていただきたいんですが、万が一、こういう状況になって殺処分した場合は、
鳥インフルエンザの場合も埋却を行うんですか。
○(
畜産課長)
鳥インフルエンザの場合、全て殺処分し、鶏舎内も消毒しておくわけですが、その処分したものや感染する可能性のある餌、堆肥につきましては、基本的に埋却処分を行うことになります。
○(
兵頭竜委員) もう5年、6年ぐらい前に、口蹄疫が宮崎で発生したときに、埋却がおくれて感染拡大というようなことがあったんですが、そのときにちょっと議論をされて、僕もよく聞くんですけれども、この埋却地の問題ですよね。埋却地の確保というのはもうしっかり現状としてなされているのか。そういった
体制整備はどのような感じになっておられますか。
○(
畜産課長) 埋却地につきましては非常に心配しているところでございます。現在、本県は、100羽以上飼養する養鶏農場が151農場ございます。そのうち埋却地を確保できておりますのは133農場と、全体の88%が確保済みで、確保されていないのは18農場というふうになっております。
この18農場につきましては、その飼養羽数に見合う埋却候補地が準備されていないとか、あと、面積的にはここで埋めたいというふうに提示されたところがございますが、実際に、県の職員が現地調査をしますと、掘ると湧き水が出るような土地であったり、必要な重機類が入れないようなところもございましたので、そういったところにつきましては、まだ埋却地は整備されていないというふうな判断をしており、それが18農場となっております。
この18農場につきましては、先ほど申しました理由を説明いたしまして、引き続き、近隣で埋却する土地を構えていただきたいということで指導をしているところです。
なお、万が一、こういった農場で発生し埋却地が確保できない場合は、焼却処分を行うことを想定しております。
○(
兵頭竜委員) 焼却処分になると移動すると思うんですけれども、そういった部分の制限はかからないんですか。
○(
畜産課長) 委員おっしゃるように、例えば高
病原性鳥インフルエンザが発生した場合、3キロの
移動制限区域と10キロの
搬出制限区域ができるわけですが、当然、その区域外に持ち出さなければならないというふうな事態が想定されます。この場合は、農林水産省の方と協議をいたしまして、その養鶏農場がある場所を避けたルートで運搬していって焼却することになります。
○(
兵頭竜委員) 埋却地はやはり近場で構えるのが一番の策だというふうに思います。こういったいろいろなことが起こったときに、またさらに指導を深めて、ぜひ確保に努めていただき、連携を強化していただきたいというふうに要望しておきます。
それと最後に、その埋却体制の中で、例えば自分の農場で自分たちだけだと、なかなか
スピード感がないと思うんですけれども、例えば建設業の方が参入してさっとする
体制整備であるとか、そういったものの連携体制というのは、今どのような形になっておられるのでしょうか。
○(
畜産課長) 実際に埋却となりますと、例えば10万羽規模でありますと、かなり広い面積の埋却地を確保する必要がございますので、通常の機械では対応が困難ということになります。そこで、県内の主要な建設業者が加盟しております、
一般社団法人愛媛県
建設業協会と
家畜伝染病発生時における
支援活動業務に関する協定を締結しております。その協定の中で、こういった
家畜伝染病が発生したときは、その重機や
オペレーター等の調達をお願いして、迅速に処理を進めるという体制をとっております。
○(
石川稔委員長) ほかに。
○(
中政勝委員) 首都圏で実施していますえひめスイーツキャンペーンのことについてお聞きしたいんですけれども、我が家もそうなんですが、最近、果物の消費量が減っているという話がありますけれども、これに対してどのように県の方では考えていますか。
○(
ブランド戦略課長) 委員お尋ねのえひめスイーツの首都圏等でのPRの事業でございますけれども、これにつきましては、首都圏におきまして県産農林水産物の認知度向上と販売拡大を目指しまして、平成27年度から取り組んでいるものでございます。先ほど委員のお話にございましたけれども、最近の若者による果物離れというようなこともございますので、国内のトップシェフにお願いいたしまして、紅まどんなであったり、あるいは甘平といった柑橘を初め、栗やイチゴなど多彩な県産フルーツをスイーツの食材として活用してもらいますとともに、一部の店舗では定番メニューとしての販売をお願いして実現したところでございます。
3年目となる今年度におきましては、首都圏に加えまして、新たに近畿圏も対象といたしまして、有名スイーツ店やレストラン55店舗におきまして、年明けの1月から3月までの3カ月間、旬の県産品や加工品を使いました各店オリジナルのスイーツメニューを提供するえひめスイーツキャンペーンを開催することといたしております。それに際しまして、協力店舗の有名シェフやパティシエの方にあらかじめ県内産地を視察していただきまして、その際に旬の柑橘やイチゴ農家を紹介いたしまして、商談機会の創出と全国への情報発信を行うこととしているものでございます。
○(
中政勝委員) 有名なシェフやパティシエを呼んでやっている姿を見るんですけれども、やはり若い人の新しい感覚を取り入れた商品づくりをお願いしたいと思います。
○(
石川稔委員長) ほかに。
○(
大西渡委員) 来年1月から木質バイオマス発電所が稼働することになっておりますけれども、林業の振興にどのような効果が期待できるのか教えてください。
○(
林業政策課長) 木質バイオマス発電所が稼働することにより林業の振興にどのような効果があるかという御質問でございますけれども、県におきましては、当該発電所の整備に関しまして、平成26年度に森林そ生緊急対策事業で14億円の資金融通を行いますとともに、県内事業者による燃料供給に係る集荷施設やチップ加工設備の整備等を支援してきたところでございます。このたび完成しました木質バイオマス発電所は、これまでコストに見合わず、利用が進まなかった未利用間伐材等を一定価格で購入してもらえる大口需要先となることから、低質木材の価格の底上げによる
森林整備が推進され、雇用の創出や林地残材が利用されることにより、整備後の森林の管理が容易になるとともに、災害時の流出木材を減少させるなどの防災面での効果も進むものというふうに期待をいたしております。
なお、発電所の円滑な稼働には未利用木材約6万tの安定供給が必要になり、森林所有者の理解と協力が必要でありますので、本年度から間伐地における林地残材の搬出・運搬を促進する補助事業や、条件不利地における主伐への支援を展開しまして、さらなるコスト削減等による供給体制の構築に努めており、地域の再生産可能な森林資源を余すことなく利用して、森林所有者にできるだけ多くの利益を還元できる仕組みを確立しまして、林業を成長産業化につなげてまいりたいと考えております。
○(
大西渡委員) よくわかりました。ありがとうございました。ちょっと聞くところによると、いわゆる燃料となる木材の価格がすごく上がっているというふうなことですけれども、それは大丈夫ですか。
それから、毎日燃やすわけだから、恐らく1年か何年かのスパンで燃料を確保しなくては、すぐなくなってくると思うんですけれども、何年ぐらいのスパンで燃料を確保していくんですか。
○(
林業政策課長) まず、燃料の価格が上がっているかということですけれども、もともと未利用材で4,000円程度の木材が、現在7,000円程度で取引されるということでございます。それで、木材の方は、単独で搬出するということについてはなかなか採算に合わないということでございますけれども、A材、B材、ほかの建築材とあわせまして一緒に出してくるような仕組みを工夫して低コスト化を図ることで、未利用材を確保するというふうにしたいと思っております。
供給につきましては、ほとんど今まで使われていなかった木材でございまして、森林を伐採しましたら約3割ぐらいの未利用材が生じますので、搬出量は十分に賄えるものでございます。ですから、A材、B材のいわゆる建築材と一緒に出すことで、期間的にも十分確保できていくというふうに思っており、そういうA材、B材とあわせまして低質木材を利用しながら、地域の活性化に努めていきたいと考えております。
○(
大西渡委員) では、途中で材木、燃料がなくなったということはないのね。
○(
林業政策課長) 現状ではないというふうに考えます。
○(
岡田志朗委員) 大変ありがたい。今、欧米産が高いから、高くなった方が林家側はいいね。今の山に木がたくさんあるからそれを出していくということで、燃料供給の問題はないと思うんですが、問題は、今間伐材を出して、その中の未利用材で対応しようとすると、なかなかこれから難しいのではないかな。
というのは、間伐ではなくて、大きく太っている木の山が多いので、大きい木を全伐して、その木のうちの3割を出す。ですから、100t出せば、30tは未利用材。残りの70tをどうするのか。というのは、30センチ径前後の木が一番流通しているから高いわけです。それよりも大きくなった50センチ径の木は、逆に安くなる。それをいかに高く売るか。もちろん未利用材としてバイオマスに使うのは30%ぐらい出るという部分は同じで、t幾らで売れますからいいんですが、残りの70%の部分をいかに高く売るかということをしないと、大きないい木ができておるのに、それを全部7,000円の燃料に持っていったら、物すごくもったいない。できれば、残りの部分は2万円とか3万円とかいう形で売りたいというのが今一番の悩みだろうと思います。
そうなってくると、川下側の製材所から建材店、もっと言ったら、家を建てる仕組みの中で30センチ径の柱材が建材の木材として使われるというだけではなくて、もっと大きな木を建築に使う。それで付加価値をつけるというような仕組みが必要ではないかと思う。そのうちの一つがCLTだろうと思うんですが、ただCLTだけに全部持っていくというのも、これもまた逆に言ったらもったいない。CLTがそんなに高く買ってくれるんだったらいいんですが、そのようには多分ならない。なので、いかに大径木の材を売るかというところが今の課題になってきているのではないかと思うんですが、何か考えられている施策といいますか、そういうのがありましたら教えていただきたい。
○(
林業政策課長) まず、バイオマスも高い方の木材を買ってもらう方がいいというお話でございますけれども、これにつきましては、再生可能エネルギーの価格というのは決まってございまして、余り高くし過ぎると今度は発電所の方がもたないという事情もございまして、それほど上げていくことに転じることはなかなか難しいということですので、山側から出してくるコストの方を削減して、山に返すお金を残していくような仕組みを確立していくということの方が現実的だろうというふうに思っております。
それから、大径材につきましては徐々に大きくなっていて、中目材については特に安いということがございます。これは、今まで製材工場が専門工場化しておりまして、柱材、それから土台等を中心に製材をしてきたものでございまして、どうしても中目材になりますと歩留まりが悪いために安いということなんですけれども、その製材工場があわせて大径材向けの工場を整備して流していくということになれば、それはまた話も変わってくるということだろうというふうに思います。
特にサイプレス・スナダヤにおきましては、50センチ径級ぐらいまでの製材ができる機械も導入いたしておりまして、そういう大型のものも製材できるような仕組みになってございますので、そうなりますと、安定的な供給を講じる中で、価格の方も山側に返っていけるような仕組みにできたらと思っております。
○(
岡田志朗委員) ありがとうございます。いや、ちょっと勘違いされたらいかぬ。僕は、バイオマスの材料を安く提供するために、A材、B材が高くなればバイオマスには安く提供できるからという意味で言っていたので、ちょっと誤解のないようにしていただきたい。
今言われたように、できましたら愛媛県全体の製材所さんで、流通の中でそういう仕組みを取り入れていただいて、山側に多くお金が落ちる形ができれば、そこで働く人たちも確保しやすい。どうしても安いもので無理をすると人材も確保しにくく悪循環になってまいりますので、この際、このバイオマスとCLT、今のスナダヤさんの新しい工場をきっかけにいい循環にしていただいて、そしてスナダヤさんだけではなくて、愛媛県全体の製材についても、外材を輸入されているようなところに関しては、それを切りかえるという形でやれるのではないかなという思いもあります。要は、大工さんたちがいかに大きな木をうまく使っていただき工夫していただくかということが一番大事だと思いますので、そちらとの連携をぜひ今後ともやっていただいて、今回のバイオマスを成功に導いていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○(
石川稔委員長) 要望ですね。
○(
岡田志朗委員) はい。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
○(
寺井修委員) 1年か2年前に柑橘の産地のことでこれからの方針はありますかというので、露地物から施設物への変更なり何なりをお伺いしたんですが、その後、何か変更はありますか。
○(
農産園芸課長) 柑橘の施設関係につきましては、ハウスミカンは、以前の燃料高騰を機に減じておりまして、最近は紅まどんなが非常に好調なものですから、施設を利用した紅まどんなへの転換も進んでおります。その紅まどんなにつきましては、いわゆる紅まどんなとして合格して販売できるには、少なくとも屋根かけ栽培が必須だろうということで、現場の方への指導を徹底しておりまして、かなり伸ばしてきております。
一方、甘平につきましては、愛媛Queenスプラッシュのように非常にきれいな外観を保つためには施設が必要ですけれども、露地でもそれなりの品質のものはできるということで、県団体が施設化を推進しておりますけれども、さほど伸びていないというのが現状でございます。
○(
寺井修委員) これは、行政にだけ頼るのではなくて、生産者みずからが自分でできる範囲の施設に切りかえができるかと思って前回のときも言ったんですが、その施設だけでは体力的にもたないので、予算的な面も生産者みずからが出すのが本当ではあるんですが、それだけでは経営的に成り立たないので、行政の方にはある程度の御指導なり、何かいろいろな面を考えていただければと思って言ったんですけれども、今回、平成28年産の柑橘とキウイの決算書を見ましても、不知火、デコポンが、露地物でしたらキロ250円です。でも、施設物でしたら754円です。せとかは露地物が336円で、施設物が711円です。それで、果試28号、紅まどんなは、露地物が320円で、施設物が662円と、ほぼ露地物の倍の単価で取引されるように現在なっております。できましたら、国体も済んだので、多少の予算の余裕があれば、何か行政としても系統や生産者と一体になって考えていくようなことにはならぬのでしょうか。
○(
農産園芸課長) 柑橘の施設化につきましては、国の事業になりますと、低コスト耐候性ハウスということで、言い方は変ですけれども、生産者が望む以上のがっちりとした施設を整備しなければいけませんので、県単事業で平成28年度から次世代につなぐ果樹産地づくり推進事業の中で柑橘の施設化を推進してございます。
これは、施設化に限らず、柑橘のさまざまな国の補助にのらないものを県単で支援しようという事業でありまして、本年度の計画段階では、ハウスにつきましては紅まどんなが2.8ha、それから甘平が0.3ha程度でございますけれども、そういった意欲のある生産者につきましては県の事業で支援をしているところでございます。
○(
寺井修委員) たしか5年か6年前は、柑橘の重点品目で紅まどんなと甘平とカラマンダリンで予算的には5,000万円から6,000万円ぐらいをつけていただいたと思うんですけれども、その辺も考慮していただいて、できるだけ生産者とのいろいろな話し合いの上で進めていかないといかぬのですが、何とか要望ができるようにお願いしたいと思います。これは要望にさせてください。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
○(
中政勝委員) 韓国への県産材の輸出の件なんですけれども、これは輸出に対して輸送代のコストの補助というのはあるんでしょうか。
○(
林業政策課長) 韓国で進めている住宅のお話かというふうに思いますけれども、輸出につきましては、森林資源が非常に充実をしておる中で、県産材のさらなる需要拡大の一つとして、海外市場への販路拡大が重要であるというふうに認識をいたしておりまして、県内の木材と製材企業等で組織します愛媛県産材製品市場開拓協議会と連携をいたしまして、展示会への出店や商談会の実施、それから現地営業担当者を活用したきめ細かな営業活動によりまして、積極的な販路開拓に努めているところでございます。
韓国におきましてはヒノキに対する関心が非常に高いということでございまして、木材が見える日本の木造軸組住宅が非常に注目されているということもございまして、今年11月に海外では本県初となります県産材モデルハウスを上棟いたしまして、県産材のPRを行うとともに、施工に関する技術指導や構造見学会を開催したところでございます。
これに対します助成につきましては、構造部材等につきまして230万円の助成をここに出しております。それとあわせまして、そういう建て方に対する大工さんの技術指導に係る出張費や、資材等も助成をいたしておりまして、合わせまして全体で460万円ぐらいの助成をしております。
○(
石川稔委員長) では、暫時休憩したいと思います。11時15分から再開したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
午前10時55分 休憩
――――――――――――――
午前11時11分 再開
○(
石川稔委員長) 再開いたします。
質疑を続けます。
委員の皆さん、質問はございませんか。
○(
帽子大輔委員) 先ほど
鳥インフルエンザの件も出ましたので、定期的にやはりちょっとお伺いしたいなと思って、キウイフルーツかいよう病の状況というのは、何か進展したニュースや対応ということで、近々トライなどされますでしょうか。
○(
農産園芸課長) キウイフルーツかいよう病につきましては、本年度の状況は現在82.1haとなってございます。これは昨年から、従来のPsa1型と3型を合わせて、特に区別しないということで取り扱っております。ちなみに、平成28年が80.5haの被害なので、ほぼ同様という形でございます。
対策としては、何といっても早期発見、早期防除というものが基本でございますので、特に春先あたりを中心に、そういったものを徹底しているところでございます。これは来年度も引き続き早期発見、早期防除をしてまいりたいというふうに考えております。
○(
帽子大輔委員) 本年度、昨年度もそうなんですけれども、この80haは、この5年ぐらいのスパンでいうと、同じぐらいの傾向ですか。というのは、生産者の皆さんは大体かいよう病についての共通認識はもう根づいているのかどうなのかなというところ。
○(
農産園芸課長) 平成26年にPsa3型が、これは非常に強いものですけれども、国内で初めて本県で発生しました。平成26年、27年につきましては3型ということでいろいろ被害状況を集計してまいりました。それが、先ほども言いましたように、平成28年4月からは従来の1型、3型を区別しないということになりましたので、ちょっと今手元に平成26年、27年の1型、3型を区別した数字は持ち合わせていないんですけれども、特別大きくふえたとか、かなり減ったとかという状況ではなくて、同じような状況が続いています。
○(
石川稔委員長) いいですか。
○(
岡田志朗委員) 言っても、82haといったら相当な面積です。そんな中で、この農業共済制度による対応実績はどうなんでしょうか。
○(
農業経済課長) 平成27年度からキウイフルーツに関しましては樹体共済という制度ができております。これで、27年度加入分について、28年度に支払いました共済金というのは1億9,000万円ほど。それから、28年度加入分について29年夏にお支払いした共済金は2億7,000万円程度となっております。
○(
岡田志朗委員) 済みません。それに関連してですけれども、県内各地というか、場所によって加入率に違いがあるのではないかと思うんですが、その辺をお願いします。
○(
農業経済課長) 29年度加入分の実績では、県全体では面積ベースで11.3%の加入率です。これを地域別では、東予地域が21.6%、中予地域が9.3%、南予地域が4.5%となっております。
○(
岡田志朗委員) これは当初からというのか、昨年の委員会でもありましたけれども、要は、樹体共済に入っても、例えば25年とか30年以降の老木に関しては共済金の戻りが少ない。共済に入っても古い木の人たちは恩恵がないというのが理由ではないかなというふうに思います。それにしても全体として加入率はもっと高いのかなと思ったら、そんなものなのかなということで、もっと加入率をふやすためにも、例えば、老木を切って、新しい木に改植するということが促進してくれば、新しい木だと、やはり共済に入っておるほうが、間違いなく、万が一のときにはプラスになりますから、加入を促進させるために、古い木に関しては改植をしてもらうような制度があれば。
キウイというのはもう本当に今の愛媛県の中の農業では優等生で、一番収益率も高いというようなこともありますし、これからも育てていかないといかぬ。けれども、かいよう病というのはなかなか根が深いといいますか、ことしあれだけ対応しても80haがまだあって、多分、これが一遍になくなることは多分ないということであれば、せっかくある共済制度をうまく活用できるようにした方がいいと思うんですが、そういう改植をさせるような、そういう制度はないのでしょうか。
○(
農産園芸課長) キウイフルーツの改植につきましては、もともとは優良品種への改植ということでしたけれども、現在は同一品種への改植も一部の事業では認められておりまして、これは国の事業になりますけれども、果樹経営支援対策事業と産地パワーアップ事業の2つの事業がありまして、果樹経営支援対策事業につきましては、かいよう病の被害に限定ということで、市町による被災証明が必要になっています。それがあれば同一品種への改植ができると。それと、産地パワーアップ事業につきましては、これは、委員おっしゃられる、いわゆる若返りを図るというようなことも対象になる事業でございます。
○(
農業経済課長) 改植制度ではないんですけれども、樹体共済制度の中では、やはり前々から御指摘のあるように、樹齢区分別換算係数というのがありまして、確かに、老木といいますか、高齢樹のものについては極端に落ちるという制度に現在なっております。その関係で、ことしの7月、農林水産省に対し、30年生以上の高齢樹についても十分収量を上げているという愛媛県の事情を説明しまして、ある程度の理解をいただいておりますが、まだ、見直しをするというところにまでは至っておりません。それで、今後についてもいろいろなデータを持って働きかけを農業共済組合とともに行ってまいりたいと考えております。
それで、愛媛県だけでなく、生産量第2位の福岡県も樹体共済をやっているということで、そちらの農業共済組合とも連携して同省に働きかけを行っていきたいと思っております。
○(
岡田志朗委員) ありがとうございます。大変心強く思いますが、本当に今の状況がこれでおさまったとは全然言えない状況であることは間違いないと思いますので、ぜひ今後ともよろしくお願いしたいと思います。
済みません。収入保険制度というものの説明会があったということなんですが、これは平成31年に導入されるんですか。できましたら詳しく教えていただきたいと思うんですが。
○(
農業経済課長) 収入保険制度は、青色申告を行っている農業者を対象に、品目にとらわれず、農業者ごとの収入全体を見て総合的に対応するセーフティーネットとして、平成31年から運用が始まるものでございます。例えば、最大補償限度及び支払率を選択して収入保険に加入した場合には、当年の収入が減少しても、この保険による補填金を含めますと、過去5年間の平均収入の8割以上の収入が確保できることになります。
現行の農業共済制度は品目が限定され、自然災害による収量減少を対象としております。農林水産省の資料によりますと、共済制度におきましては農業産出額に占める農業共済対象品目の産出額の割合は56%ということですので、金額的に56%しか共済の対象になっていないということでございます。
ですが、この収入保険制度は基本的に全ての農産物を対象にします。それから、自然災害による収量減少に加えて、価格低下など、農業者の経営努力では避けられない収入減少も補償される。こういうことですので、農業者にとりましては、野菜等の収益性の高い新しい作物の導入や、あるいは販路の拡大などに取り組みやすくなりますので、特にチャレンジする農業者にとってはメリットが大きいと思います。
さらに、収入保険では、農業者が負担する保険料率が現時点で国の試算では1%程度となっております。農業共済における農業者の実質掛金負担の平均が2.2%ということでございますので、これに比べて低く設定される見通しです。それで、一応、農業共済団体が単一品目で試算、比較したところ、果樹については一般的に農業共済に比べて収入保険の方が保険料は安くなるということで、優位と言われております。
○(
岡田志朗委員) ちょっと話が戻って申しわけないですが、この制度ができたら、例えば老木のキウイをつくっておりましたら、逆に収入保険に入っておった方が有利ということにならぬのか、どうでしょうか。ここは個々によって対応があるんでしょうけれども。
○(
農業経済課長) それは個々によって違いますから、個々によってシミュレーションして、経営判断により加入するしないを決定しないといけないと思いますけれども、この収入保険ができることによって、農業共済制度とのダブりの加入はできなくなります。どちらか一方の選択制になります。ただし、収穫共済、いわゆる収量が落ちたことによる共済とのダブりがだめなだけで、先ほどの樹体共済については関係なく、収入保険と重複して樹体共済に入ることはできます。
○(
岡田志朗委員) 今のお話で、これもそれぞれで判断されるんでしょうけれども、この制度ができたことによって、今までの農業共済に入る人が減ってくるということは特にはないんでしょうかね。影響といいますか、お互いがきちんと棲み分けができるような形でいけるのか。
○(
農業経済課長) これは、まず始めてみないとわからないんですけれども、農業共済制度に収入保険ができることによって、今は当然加入の米麦の農作物共済が任意加入になります。ですから、例えば小規模な米農家の方が、今は共済に入られておるんですけれども、収入保険が始まりますと入っても入らなくてもいいようになります。しかし、この方が収入保険に入るためには青色申告をしていないといけませんけれども、なかなか青色申告をしている農家さんというのは少ないと判断しているので、無保険という方が出てくるのではなかろうかと思います。やはりどちらかの制度には入っていただきたいと思っておりますし、今、対象でない野菜等もありますので、必ずしもそっくり農業共済が低調になるということにはならないのではないかと思います。
○(
岡田志朗委員) この収入保険制度は、本当に新しいことに取り組んだり、農業をする方にとっては非常に有効だろうというふうに思いますし、安心して農業に取り組めるという意味でも期待できますので、今言われておったような、やってみないとわからないけれども、その辺の心配があるんだよというところをクリアして、先に想定しながらしっかりとした制度に育てていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○(
石川稔委員長) ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○(
石川稔委員長) それでは、質疑もないようですので、採決を……(「ちょっと待って」と呼ぶ者あり)はい。では、済みません。
○(
寺井修委員) 最後に一言だけ、田所部長にお願いがあるんですが、議場で議長の横に飾っております果試28号、紅まどんな、あれを飾るようになったのは清家議長のときからで、本年で9年目になります。来年、10年目なので、前にいる委員さんとか、いろいろ文句を言いますので、できましたらきちんと果樹試験場で、ポットの担当者がおると思うんですけれども、はっきり言って、実と葉っぱで、マスコミ等、テレビ局なんかもはっきり映しますし、出るので、それなりのやはり実をつけたいいものを。あれを見ておったら、葉っぱだけが目立って、実が4つか5つしかなっていないような、何か立ち木品評会の足しにもできぬみたいになっておるから、できましたらきっちり形のいいものを、次年度、10年目ということで何か出していただければと思うんですが、どうでしょうか。